みなさんは、金融商品仲介業者(IFA)をご存じでしょうか?
近年、金融商品の取り扱い数の増加から、金融商品仲介業者(IFA)という職業に注目が集まっています。
そこで今回は、どうすれば金融商品仲介業者(IFA)になれるのか、その魅力や特徴もあわせて解説します。
なぜIFAが話題になっているのか?
IFAとは、独立系ファイナンシャルアドバイザーの略です。
IFAは、金融商品仲介業者として中立的な立場で、有価証券取引の仲介を行っています。
近年、岸田総理の「貯蓄から投資へ」という発言を受けて、積極的に投資をする方が増えてきました。
しかし、日本では幼少期の金融教育が進んでおらず、投資について学ぶ場が少ないのが現状です。投資の経験・知識がない人がいきなり投資をするのは難しいでしょう。そのような人たちが、自分で勉強して投資をしてもお金が増えるケースは少ないです。むしろ、リスクの大きいものに投資してしまい、資産を減らす可能性もあります。
そんなときに頼りになるのがIFAです。
IFAは金融商品に対して幅広い知識を持っています。そのため、投資についてのリスクをしっかりと説明した上で、提案してくれるでしょう。このようなことを背景に、IFA(金融仲介業者)の需要が高まっています。
なぜ証券会社や銀行ではなくIFAが人気なのか?
お金や有価証券の相談といえば、まずは証券会社や銀行が思い浮かぶでしょう。では、なぜ金融機関ではなく、IFAに相談する人が増えてきているのでしょうか?
理由はいろいろありますが、大きく3つあります。
扱える金融商品の多さ
IFAは、取り扱い商品が多いことが特徴です。証券会社や銀行などは、有価証券やお金の運用に関するアドバイスしかできません。しかし、IFAは独立系という名前の通り、有価証券やお金だけでなく、不動産投資や生命保険に関する相談にも対応できます(別途資格が必要)。
資産について一気通貫で対応できるとお客様からの信頼度も高まるでしょう。よって、取り扱える商品が多いIFAに相談する方が増えてきています。
転勤がないので、顧客と長いお付き合いができる
IFAは、基本的に転勤がないので、お客様と長くお付き合いすることが可能です。証券会社や銀行などは、転勤があるので、定期的に担当者が変わってしまいます。担当者が変わる前提だと、お客様も安心して資産を任せにくくなるでしょう。
IFAであれば、長い時間をかけてじっくりと信頼を構築することができます。それに加え、顧客に寄り添った丁寧な提案をすることで、一生涯のパートナーとして多くの資産運用を任せてもらえることでしょう。
中立的な立場で金融商品を提案してくれる
IFAの一番の特徴は、中立的な立場で金融商品を提案できるということです。
証券会社や銀行などでは、自身や会社の売上ノルマなどが設定されていることが多くあります。ノルマを意識してしまうがゆえに、お客様のための提案ができないこともあるでしょう。
しかし、IFAは特定の金融機関に所属しないので、ノルマもありません。ノルマに縛られることなく、中立的な立場で金融商品を提案することが可能です。
ただし、IFAはお客様との取引手数料によって自身の報酬が決定します。人によっては、手数料率を気にして提案商品を決めてしまうこともあるようです。しかし、お客様の状況を無視して提案すると、一気に悪評が広がります。すると、自身の今後のIFA活動に大きな影響を与えるでしょう。そのため、IFAは必然的に顧客のことを第一に考えた提案を行うようになり、お客さまからも選ばれやすくなるのです。
IFAになるための必須資格
このようなことを背景に、IFAの需要は高まっています。
では、IFAになるためにはどのような資格が必要なのでしょうか?
ここでは3つ紹介していきます。
【必須】
・外務員資格
【役に立つ資格】
・生命保険募集人資格
・FP(ファイナンシャルプランナー)
外務員試験【必須】
外務員資格は必ず取得しなければならない資格です。この資格がなければ、活動はできません。
また、外務員試験は一種と二種の2種類があります。二種でも活動はできますが、大きなリスクを伴う金融商品の仲介ができません。したがって、難易度は高いですが、一種を取得することをおすすめします。一種を取得することで、提案できる金融商品の幅が広がるでしょう。
生命保険募集人資格
生命保険募集人資格があれば、生命保険の提案も可能となります。
国民の多くが、将来のことを考えて生命保険に加入しています。
したがって、生命保険が扱えるようになると、将来どのような不安があり、何に備えて保険に加入すればよいのか、経済的状況を見て提案ができるようになります。提案の幅がぐんと広がるでしょう。
FP(ファイナンシャルプランナー)
FPの資格を取得するとライフプランの作成ができるようになります。ファイナンシャル・プランニングでは、お客様の目標に向け、資産に関する様々なアドバイスを行います。例えば、家計の見直しでは、その家庭の収支を把握し、どの支出を削減すべきかをアドバイスします。削減した分を運用にまわすと、家計のバランスが良くなるでしょう。
そうすれば、家計の見直しができる上に、安全な金融商品を顧客に提案できるという2つの目標を同時に達成できます。お客さまからの評価も高くなるでしょう。
IFAとして働くためには
IFAとして働くためには、以下の3つの方法があります。
- IFA法人で正社員として勤務する
- IFA法人と業務委託契約を結ぶ
- 金融商品仲介業者を設立する
IFA法人で正社員として勤務する
一つ目は、IFA法人に正社員として勤務するという方法です。
正社員の給与形態は、『固定給+賞与』『固定給+インセンティブ』です。固定給与があるので安定しており、収入に関しての大きな心配事はなくなるでしょう。
『固定給+インセンティブ』の場合、インセンティブ率が何%かは事前にチェックしましょう。あまりにも低い場合は、不安要素になるので注意が必要です。
また、正社員は、提案内容に会社方針が影響する場合があります。しっかりとIFA法人の方針などを調べた上で選ぶとよいでしょう。
IFA法人と業務委託契約を結ぶ
IFAとして働く方法の2つ目は、IFA法人と業務委託契約を結ぶ方法です。入社すると、所属するIFA法人を通じて、外務員登録をおこないます。
業務委託を結ぶと、あとは個人事業主として自由に活動します。そのため、目先の収益にとらわれず、顧客に対して最善の提案ができるようになります。
給与は、完全歩合型で決定します。成果が上がらなければ収入も減ってしまうので、リスクが大きいのは否定できません。しかし、頑張れば頑張るほど高収入になっていく可能性があるので、やりがいは高いでしょう。
金融商品仲介業者を設立する
IFAとして働く方法の3つ目は、金融商品仲介業者を設立する方法です。
設立するにはまず証券会社との審査・面談が必要です。そして、証券会社より認可が降りると「金融商品仲介業務委託基本契約」を締結することができます。その後、財務局へ仲介業登録申請を行うと、金融商品仲介業者設立となります。一般的に、手続きにかかる期間は6ヶ月〜1年以上と言われています。
この期間は、設立中のIFA法人では仲介業務ができません。そのため、転職していきなりIFA法人を設立するのは現実的ではありません。まずは他のIFA法人に所属し、IFA活動を行いながら設立の手続きを進めるのが良いでしょう。
もちろんどの方法でもメリットデメリットは存在します。
大事なのは、自分にとってどの働き方が理想なのかをしっかりと考えてみることです。
「収入的に不安なく働きたい」という方は正社員。
「リスクは高いけど、顧客と長期的な関係を持って働きたい。」「自分の実力で稼ぎたい」という方は業務委託・金融商品仲介業者設立というように明確になります。
また、IFA法人の方針によって、バック率なども変わってきます。所属するIFA法人を決める際は、入念に調べて判断しましょう。
まとめ
今回は、IFAになるにはどうすればよいかについて解説しました。IFAは需要が高い職業ですが、現状は人数が圧倒的に足りていないとされています。
IFAは幅広い知識を身につける必要があるので、難易度が高いです。しかし、たくさんの知識を身につけ、顧客本位の提案をしていくことで、きっと顧客からの信頼度は高まるでしょう。それが、成果へとつながるのです。
IFAに興味が湧いた方は、ぜひ一歩踏み出して頂けたらと思います。
しかし、IFA業界はまだまだ情報量が少なく、不透明な部分が多くあります。所属IFA法人を決めるにも、何を基準に選べば良いのか悩むでしょう。
そんな時は、転職エージェントに相談してみましょう。
アドバイザーナビ株式会社は、IFA業界に特化した転職エージェントです。証券会社出身のメンバーを中心に構成されているので、現場感もありIFA業界にも精通している心強い存在です。
無料で利用できるので、一度相談してみると良いでしょう。
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