みなさんは、金融商品取引業者(IFA)をご存じでしょうか?
近年、IFAは需要が高まりつつあり、転職や副業としても注目を集めています。
そこで今回は、需要や活動内容、IFAとして独立して活動する際に求められる技能や資格などを解説します。
IFA(金融商品仲介業者)とは?
IFA=Independent Financial Advisorの略で、独立系ファイナンシャルアドバイザーと呼ばれています。金融機関から独立した資産運用のアドバイザーであり、金融商品の仲介をすることができます。
最近の日本では、麻生大臣の「老後2000万円」や、岸田総理大臣の「貯蓄を投資に変えていこう」という発言からもわかるように、日本人が敬遠していた投資をしていかなければならない状況に変わってきています。
しかし、いきなり投資をするのはリスクが大きすぎます。そこで登場するのがIFAです。なぜなら、金融商品に関する幅広い知識を持っており、金融商品が持っているリスクなども把握しているからです。
そのため、近年需要が高くなってきているのです。また、独立系という名前の通り、生命保険や金融商品、保有資格によっては有価証券など、取り扱える商品が多いため、このような名称がついています。
なぜIFAの需要が増えてきたのか?
では、なぜIFAという職業の需要が増えてきたのでしょうか?その理由は、日本人が投資をしなければならない状況になってきたからです。
先ほどの頁の「老後2000万円」問題だけではなく、積み立てnisaやidecoなどの非課税制度を用いた金融商品も増えてきています。また、仮想通貨やFXなども身近で利用している人も増えてきました。
楽天証券やGMOなどの証券会社も、ネットで口座を作れば、すぐに投資ができるようになったことが挙げられます。ここ最近は、ロシアとウクライナの戦争の影響により、急激な円安が進み、それに伴い歯止めのきかない円安が進んできています。
さらに、急速な物価高が生活に大きなダメージを与えています。この状況を受け、日本人が投資に対しての興味関心が出てきたという現状になっているのです。そこでIFAという職業の需要が高まってきています。
投資をしないといけない状況にはなりましたが、日本では投資などの金融商品に対して強い嫌悪感を抱いてきました。なぜなら、金融商品などに関する知識がほとんどないからです。そのため、「株式投資を始めたが、資金を失った」という人が続出しています。
投資に対する知識がない人がむやみに始めてしまうと、リスクが高いのです。IFAは、金融商品に関する幅広い知識を持っているので、資産運用予定の金融商品のリスクなどを考えながら提案することができます。
そのため、高齢者の方の資産運用や、若い方が長期的に資産運用をしたいときの頼れる味方として需要が高まってきているのです。
IFAとして活動するための資格とは?
独立してIFAとして職務を遂行する際、いくつかの資格が必要となり、資格があるからこそ依頼者の方も安心して任せられます。
証券外務員試験を受験
まず第一に証券外務員試験を受験して合格する必要があります。証券外務員試験では、一種と二種で分けられており、扱う商品の数も違ってきます。
二種では、現物取引の対象となる商品しか扱えません。しかし、一種を取得することができれば、現物取引だけでなく、リスクの高い先物取引などの商品も取り扱うことが可能です。
しかし、お客様にリスクなどをしっかりと伝えて商品売買の仲介を行う必要があります。
もちろん証券外務員試験に合格して、IFAとして活動もできますが、以下の資格を取っておくと、さらに業務の幅が広がるでしょう。
生命保険募集人資格
大半のIFA法人に言えることですが、大抵の場合、金融商品仲介業と共に、生命保険の代理店として業務を行っているケースがあります。
生命保険を販売する業務に必要な資格として生命保険募集人資格がありますが、これは、生命保険の募集(つまり保険の営業)をするために必須な資格です。多くの人が今後を見据えて加入しています。
保険に関するアドバイスに加えて、金融商品の提案も同時にすることができると、IFAとしての業務の幅が広がっていきます。
FP(ファイナンシャルプランナー)
ファイナンシャルプランナーとは非常に幅広い呼称ですが、一般的には、日本FP協会のFP技能士試験、もしくは一般社団法人 金融財政事情研究会のFP技能検定に合格した人のことを指します。
AFPやCFPに登録することでファイナンシャルプランナーとしての肩書を手に入れることができます。FPの資格を取得することで、家計の見直しをすることができます。
もし現在無駄な部分が見つかれば、「その部分を削減して、金融商品に投資していきましょう」と言った提案ができます。
資格がなくてもフィナンシャルプランニング自体は可能ですが、FPの資格を持っていることで、さらに細かい家計の状況を把握して、そこから金融商品の紹介へとつなげる提案が可能になります。
IFAとしての2つの働き方
IFAとして活動するためには、社員としてIFA法人に勤務する方法と、いきなり独立する方法があります。会社員であれば、固定給と実績評価の連動型で給料が出るという働き方になります。
逆に、これから大きな金融資産を運用する予定の企業がある場合は、すぐに独立することもあります。もしすぐに独立する場合は、証券会社と業務委託契約を結び、必要書類を自分が活動するエリアの管轄する財務局に提出した上で、内閣総理大臣の登録を受けます。
独立をする時は、会社員として働くときよりも、かなりハードルが高くなるでしょう。しかし、お客様と丁寧なコミュニケーションを取っていき、信頼感を得ることが出来れば、大きな収入を得ることが可能になります。
IFAに求められることとは?
IFAに求められる能力は大きく分けて4つあります。
顧客開拓能力
会社員として働く時も、独立をした時も、未開拓の場合が多いです。営業の職種と似ている部分もありますが、いかにして自分を売り込んでいくかによって、成功できるか否かが決まってくるでしょう。
どのように信頼関係を作っていくか、コミュニケーションをとっていくかが重要となってきます。
ヒアリング能力
IFAは、お客様が言っている言葉の裏側を読み取り、お客様自身も気づいていない課題を見つけ出していく必要があります。
そのためには、多くの情報を引き出せるようなヒアリング能力が必要となってきます。
日ごろからしっかりと会話が出来るような雰囲気を醸し出す必要があるかもしれません。
自分自身で計画し進めていく決断力
IFAは特定の金融機関に所属することなく、独立かつ中立な立場で顧客にアドバイスをする仕事です。
誰かの指示を仰ぐのではなく、顧客の状況や課題に合わせた提案を自分自身で組み立て、計画的に進めていく必要があります。
お客様の悩みはそれぞれ違います。そのため、幅広い知識を掛け合わせて考えていくことも重要です。
「あのお客様はこんなことを言っていたから、この商品をおすすめしてみようか」「このお客様はこんな悩みを持っているから、この商品をおすすめしてみようか」と試行錯誤をする場面が多くあります。
かなり頭を悩ますことが多いと思いますが、そのような地道な努力が後々自分の信頼関係へと変化していくのです。
金融資産に関する幅広い知識
IFAは、幅広い金融商品を取り扱える反面、そのリスクもしっかりと把握しておく必要があります。
中途半端な商品知識でお客様に紹介してしまうと、お客様の大事な資産を失ってしまう可能性があります。せっかく長い時間をかけて築き上げてきた信頼関係が一気に崩れてしまいます。
時には、悪い噂が流れてしまい、今後の業務に支障が出てくるでしょう。
まとめ
今回は、IFAになるための資格や働き方について解説しました。IFAの仕事は、お客様の大切な資産を預かるというかなり責任の大きな業務になります。
しかし、お客様に対してしっかりと向き合い、課題解決のために尽力していくことで、お客様から感謝の言葉をもらい、強固な信頼関係を築けていくのです。
まずは資格試験に合格するための勉強が必要になります。試験に合格できなくては業務さえも出来なくなってしまいます。
合格した上で、幅広い知識を習得して、お客様から信頼されるIFAとして働く方が出てきてくれることを願っています。
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